• 桑原一貴

実現したい夢のために、今は会社で社会勉強中

今回は、大学を休学し、ITベンチャー企業で新規事業立ち上げを任されている桑原一貴さんにインタビューをしました。お風呂で思いついたビジネスで、月に100万円を超える収益を生み出すことに成功した桑原さん。「お金ではなく、社会人としての常識を身につけて、そのうえで実績と功績と影響力を持ちたい」と思い、これまたお風呂でたまたま目にしたTwitterの投稿をきっかけに今の会社の社長と知り合い、会社で働くことになります。
そんな桑原さんが語る「起業」と「会社で働く」という選択肢とは。今、働く会社の社長やメンバーに抱く想いとは。周囲にいる人を見る中で、「これを人生の目標にしよう」と掲げたビジョンとは。1時間たっぷり、熱く語っていただきました。
インタビュー実施日:2018年3月29日(らしくインタビュアー渡辺)

目次

■大学は休学中。今は企業で、マーケティングディレクターとして新規事業を立ち上げ中

――桑原さんが、今、担当しているお仕事を教えていただけますか?

今は、インスタグラマーさんが抱えている悩みを解決するサービスを新規事業として立ち上げています。インスタグラムって、リンクを1つしか貼れないんですね。それって、すごくもったいなくて、Twitterとブログをやっているのに、どっちを貼ろう?って悩むんですよね。だからこそ、簡単にプロフィールページを作れて、そのURLリンクを貼れば、自己紹介がもっと幅広くできる、例えば、より有名になれるサービス。そんなサービスを立ち上げています。

――いただいた名刺には「事業本部 企画戦略チーム マーケティングディレクター」とあって、今のお話をお伺いして「なるほど」と思ったんですが、もともとこちらの会社にはインターンとして入られたそうですね?

そうです、もともとはインターンとして入りました。今は社員として働いていますけどね。

――でも、同時に「学生」っていう情報も事前にいただいているんですが…?

学校は休学をしていたんですよね、1年間。

――お、その辺りから詳しくお聞きしたいです。

あ、わかりました(笑)。

――桑原さんは、世間的に言うと、「学生」というお立場?

そうです。学生です。

――休学をしていたのは、過去形ですか? それとも、今も、休学中ですか?

3年生まで学校に行っていまして、3年生が終わるタイミングで休学をしまして、パスチャーに通い始めた、という感じです。

――パスチャーに入って、どれくらいですか?

1年くらいですね。

――そのくらいで、すでに正社員にもなられて。ちなみに、学校にはいずれ戻るんですか?

ちょうどこの前、復学届を出してきたんですよ。ただ学校には行かないです! 在籍はするけれど、通うつもりはないんです。

親との約束で「卒業はしようね」と話していたので、それを果たさなくちゃいけないな、と。周りの皆にも「辞めればいいのに」って言われるんですけど、親とか親戚とかとの約束があるので、卒業はしよう、と思っているんですよね。

自分が危ない人だったからかわからないんですけど、家族や親戚の皆に、「大学だけは卒業してね」って言われてきたんですよ。皆の前で「私は大学を卒業します」みたいな誓約をさせられたりもして。そういう経緯があるので、やっぱり大学は卒業しないとな、と思っています。

――では、この4月から4年生の1年間を過ごして、来年の春に順調にいけば、卒業、と。

そうですね。

■皆が稼げるようになったら、自分にも勝手に月100万円以上のお金が入ってくる状況を作った

――「危ない人って思われていて」というのは、どういうことですか?

大学2年生の頃から、自分で事業をいろいろと始めまして。転売を始めて、何百万円っていう収益を上げ始めたんですよね。

――え? 自分で事業を始めて? どんな事業ですか?

転売やコンサルです。それがパスチャーに入る経緯にもつながるんですけど。とにかく学生の立場で事業をいろいろやってみて、お金が正直、たくさん入ってきたんですよ(笑)。

――そんなセリフ、言ってみたいなぁ!(笑)

たかが知れていますよ? 毎月、100万円くらいのお金が入ってきたんですね。

――え? 毎月? そういう額のお話なんですね!

転売もめちゃくちゃやりましたし、コンサルで20人くらいに事業のノウハウを共有していったりもして。

――コンサルっていうのは、具体的にどんなことをしていたんですか?

「転売をして稼ぐ」っていう、そのノウハウを教えていくことをビジネスにしていました。

「働きたくない」とか、ノマドワーカーとか、「楽して働きたい」というわけではないですけど、そういった働き方を求めている人が増えていると思うんですよね。

――いわゆる「苦しい労働」を前提にしていない働き方、ですかね?

そうです! 主婦とか学生とかですね。結構、求めている人は多いんですよ。だから、そういう人たちに、自分が出した実績を伝えていく、っていうのを始めたんです。

でも、「コンサル」っていうと、うさんくさいイメージがあると思うんです。

――うーん、「学生がコンサルやっています」と言われたら、確かに「なんだろう?」とは思うかもしれないですね。私は、うさんくさく思っちゃうかもしれない。

そうですよね! 多くのコンサルを名乗る人は、「最初に30万円、預けてください」とか言うんですよ。それはうさんくさいな、って思って。でも、自分には自信はあったので、「最初は契約金は1万円だけいただきます」と。「その後、皆の収益が出始めたら、一定のパーセンテージのお金をいただきます」って提示したんですね。

それで、生徒さんというか、コンサルさせていただくことになった方々を支援していって。皆が稼げるようになったら、自分にも勝手にお金が入ってくる状況を作ったんです。

――すごい発想(笑)。いつ頃から、そういったビジネスモデルを考えていたんですか?

転売を始めてみて、1か月目で自分がプレイヤーとして成功するっていう実感を掴んだんです。「これ、めっちゃ稼げるわ!」って。「やばいわ!」ってなったんですね。

もちろん、がむしゃらで、1日中、ずっとポチポチ操作して、買っては売っていく、っていう「実働」があったんですけど、それをひたすらやれば稼げるっていうのがわかったんです。それを2か月、3か月続けて実績ができてきて。その頃には、「これはノウハウを売った方が稼げるな」って思ったんですね。

最初は友達を相手に、コンサルが成り立つかどうかを試していって。「実績」って大切だなっていうのは最初から考えていたので、コンサルとしての実績をつくるために、金額は少なく、でもビジネスモデルを考えていきました。

「これをどうやってお金にしたらいいんだろう?」と思った時に、生徒さんが売り上げた中から、後から一定のパーセンテージの金額をいただこう、と。それを考え付いたのは、転売を始めて、半年くらいでしたかね。

――そういったビジネスモデルのヒントというのは、もともと何かで仕入れていたんでしょうか? それとも、ふとアイディアが浮かんだんでしょうか?

自分、本を日頃から読むんですね。だから、もしかしたら潜在的に頭に入っていた情報からヒントを得たんじゃないかな、とは思います。ただ、別に本に「そうすると良い」って書いてあって、「じゃぁ、こうしよう」と決めたわけではないですね。

■ちょっと安く仕入れて、世の中の求める金額で販売する。それでちゃんと儲けが出る

――そもそも転売っていうものをやってみよう、というきっかけは?

自分はお風呂でスマホをいじることが多いんです。音楽を聴いたり、インターネットを見たりとかするんですよね。

自分はめちゃくちゃ何かにのめりこんじゃうタイプなんですよ。1年生の時は、めちゃくちゃ遊んでいましたし。でも、一方で飽きやすいんですよ。飽きちゃうと、何しても楽しくないんですよね。遊んでいても、つまんない、ってなってしまう。

――バーッと走っていって、立ち止まったら、「はい、もう終わりー」って?

そうですそうです。遊びの次は、勉強にハマったんですね。公務員試験を受けるための勉強にもめちゃくちゃハマったんですけど、それも飽きちゃったんですね。2年生時点でそこそこ結果が出て、「もういいや。」って。

友達からも「公務員だけは絶対にお前に合わない」「やめておけ」って言われていたので、「これも、もういいや」って。

――うん、私も、まだ出会って10分程度しか知り合っていないけど、公務員タイプではないと思う(笑)。

ですよね(笑)。そうしたら、友達に起業家の集まるイベントに連れていかれたんですよ。そうしたら、企業家っていうのに、「うわ、こっちの人生の方が楽しそうだ」って思って。

それで、お風呂の話に戻るんですけど、お風呂に入りながらスマホをいじっていたら、たまたまAmazonのプライム会員向けのセールをやっていたんですよ。そこで、3DSを買ったんです。確か8000円とかだったんですね。それで今度は、メルカリをチェックしたんですけど、メルカリでは同じものが15000円で売られているんです。「あれ?」って思って。「この差額、やばくない?」って。それで、「これが小売りの仕組みか?」って思ったんですよね。

自分はバカなんで、考えずにやっちゃうんですよね。だから、「差額、やばくない?」っていう発想のまま、「これやったら、イケるんじゃないか」って思いついて、「転売、やってみよう」って始めてみたんです。

――ちょっと安く仕入れて、世の中の求める金額で販売する、と。

そうですね。最初は3DSでしたけど、その次はMacブックを買って、売ってみて。そうしたら、Macブックは本当に当たったんですよね。

あとは、ただ商品を右から左に流すだけではなくて、例えば充電器がないものを安く仕入れて、充電器は別に安く買ってきて、セットにして、それを適正な価格で販売する、とか。そういうことを始めたんですね。

――遊び、勉強、そして転売、と。ハマりました?

ハマりましたね。

――それは何にハマったんでしょう? どんどん、物が流れていく、ということにハマったのか、あるいはお金がジャンジャン入ってくる、ということにハマったのか。

両方ですね。工夫していくと、どんどん成果が出てくるんです。最初は本当に、ただ単にAmazonで安くなっているものを買って、それを高く売るだけだったんですけど、それでは一人が買える量も限界があるし、「じゃぁ、何を扱えばいいのかな」って商品を考えるようになったんですね。

Macブックとか、カメラとかって、正直、皆、「何故かわからないけど欲しいもの」なんですよね。正直、詳細は皆、あまりよくわかっていない。適正価格もよくわからない商品なんですよね。ただ心理として、「あんまりわかんない」けど、「欲しい」ものなんです。だからこそ、価格の安さが、魅力的に映るんですよね。

さらに、こういった商品って、少し昔のものでも、かなりいいものなんです。もちろん、世の中にはどんどん新しいバージョンの商品、製品が発売されるんですけど、中のソフトウェアを入れていけば、昔の型でも内部は更新されていきますしね。すごく「いいもの」なんですよね。

――確かにそうかもしれないですね。しかも、「スタバでMacブック=カッコいい」っていう、よくわからない憧れがあったりしますよね。

そうなんですよ! 需要はずっとあるんですよね。それで、Macブックを取り扱うようになりました。

■自分の目標として、「頑張ろう」と思った学生や若い人を応援することをしたいと思った

――まずはご自身が転売で成功して、それを今度は、他の人にノウハウとして伝えていく、っていうビジネスを考えついたわけですね。

そうですね。その方がお金になるな、とも思って。自分は動かなくていいし、困っている人たちを救うこともできるし。コンサルってうさんくさいイメージなんですけど、自分はそう思われたくないから、しっかりと信頼関係を築けるような契約モデルを考えて。そんな感じでスタートしましたね。

――そういった活動を、半年くらい続けていらして。それが、どうパスチャーさんに入ることにつながるんでしょう?

あ、そうですよね。その話でした。

その頃、自分で言うのは難ですが、本当にお金があったんです。毎日美味しいご飯を食べていましたね(笑)。

でも、ふと、「俺、このままじゃ、何も残せないな」って思ったんですよね。「このまま生きていくこともできるけど、社会を知らないな」って気づいたんですよね。

――「社会を知らない」?

ビジネスマナーも知らないし、「社会に出ずに死んでいくのは悲しいな」って思ったんです。自分自身が変な人間っていうのは、親の影響もあると思いますけど、昔、有名な人にTwitterとかで声かけて、お話させてもらったりもしたんですね。そこで学んだいろいろなことがあって、転売ビジネスに役立てたことも多いんです。そういう影響を与えてくれた人たちのことを考えたんですよね。

ただ、どんなに稼いだりしても、周りは「あいつ、変なことやってるよ」とか、「意識高い系じゃん」とか、そういう風に見られるのが、すごく嫌で。もっと言えば、「頑張っているとダサい」みたいな風潮も嫌なんです。

そんな時に、自分の目標として、「頑張ろう」と思った学生や若い人を応援することをしたいと思ったんですよね。頑張ろうと思ったけど、皆に「無理だよ」って言われて諦めてしまう人とか、周りの視線に耐えられなくて、無難な道に進むことを選ぶ人とか、そういう人がいる状況が悔しくて。

自分自身は気にしないからいいんですけど、周りの声とか、周りの目とかを気にしちゃう人っているよな、って思ったんですよね。せっかく「行動しよう」と思っているのに、それをやめてしまうのはもったいないな、って思って、ならば、そういう人たちを支援したいな、って思ったんですよね。

――なるほど。そういう視点で見ていたんですね。すごいですね。

でも、実際に支援したいと思っても、お金を持っているだけでは意味がないな、とも思って。「お金持っています」って言っても、功績がないと意味がないと思ったんですね。

■お風呂はパワースポット。ビジネスのアイディアも、会社との出会いもお風呂で見つけた

――実績はあるけど、功績はない、と。ご自身のことを、そう捉えたんですね。

はい。例えば、家入さん(家入一真氏。シリアル・アントレプレナー)けんすうさん(古川健介氏。ハウツーサイトnanapiの運営会社元社長)とか、堀江さん(堀江貴文氏。実業家かつ投資家)とか、しっかりとビジネスを築いてきた功績があるから、あの人たちの言葉が皆に影響を与えているわけですよね。

その辺を歩いているおじさんが急に、「お前、頑張れよ」と声をかけても、皆、「え? なんだよ?」って、心には響かないと思うんですよね。

心に響くようなことを言えるようになるためには、社会の中で功績を積み上げなくちゃいけないな、って思ったんです。でも、「社会のことなんて何も知らないしな」、「そういった社会勉強をするために、どこかの企業に行きたいな」って思い始めたんです。

そうしたら、またお風呂でスマホを見ていたら、いいツイートを見つけて。

――お風呂、すごいですね! 私もお風呂でスマホをいじろうかな(笑)。

マジで、お風呂はパワースポットですよ!

■「事業が伸びすぎて困っています。助けてください」というツイートが社長との出会い

――ごめんなさい、話の腰を折ってしまって(笑)。お風呂でツイートを見つけた?

あ、そうです。「事業が伸びすぎて困っています。助けてください」みたいなツイートがあったんですね。それが甲斐さん、このパスチャーっていう会社の社長のツイートだったんですよね。

――そういう出会いなんですね! すごい!

甲斐さんなんて人、全然知らなかったし、パスチャーっていう会社もわからなかったんです。でも、何かわからないけど、そのツイートに惹かれて、気づいたらメッセージを送っていたんですよね。

甲斐さんからしても、Twitterでやりとりした全員を企業に招き入れるっていう発想はなかったと思うんですけど、自分はバカなんで、当たり前のように、「いつから行けばいいですか?」ってメッセージを送っていたんですよね。

――まだ、面接も、選考も受けていないのに?

そうです、「どうも初めまして、桑原と申します。事業が伸びすぎているということで…、いつから行けばいいですか?」って。

――相当、前のめりですね(笑)。

そうなんですよ! 頭おかしいですよね。ネジが外れている、というか(笑)。でも、自分はそういう人間なんですよ。

実際に、「事業が伸びすぎて、困っている」って、マーケティング的にすごいキャッチコピーじゃないですか。成長途中なんだな、っていうのがすぐに伝わるし。やっぱり甲斐さんってすごいなって思うんですよね。

■「これって意味あるのかな」と思うようなことを、会社という枠組みの中でやってみたかった

――Twitterでやりとりして…、「じゃ、会いましょう」ってなったんですか?

なりましたね。甲斐さんのそういうところ、めちゃくちゃ好きなんですよ。

甲斐さんって、自分と…、こんなことを言うのはおこがましくて恐れ多いんですけど、甲斐さんと自分って同じ線上にいると思うんです。甲斐さんがもちろんずっと前の方を、先を進んでいるんですけど、同じ延長線上にいる人だって感じていて、「この人についていきたい」って思ったんですよね。

――実際にTwitterで知った甲斐さんという経営者に会って、「一緒に働こうよ」っていう話になって。最初は、どんな仕事を任されたんですか?

当初は、オフィスにいるのは、3人とか、4人とか、そんな感じだったんですけど。最初は何もわからずに、ただ言われたことをやるっていう感じでした。今となっては流れ全体がわかりますけど、当時は本当に忙しかったし、業務がまわっていなかったと思うんですよね。その中で、「これをやって」って言われて、ひな型を見せてもらって、とりあえず言われた通りにやってみる、というところから始めました。

今までは効率を重視していたし、面倒なことはやらなかったし、自分の好きなことだけをしていく、っていう生き方を優先してきたんですけど、まさにそうやって会社の人に「これをやって」って言われるのを求めていたので、そういう働き方を始められたのは嬉しかったですね。自分、Mなんですかね?(笑)

――どうなんでしょう(笑)。でも、そういう新人みたいな働き方、仕事の教わり方が嬉しかった、というわけですね。すでに何百万円って稼ぐビジネスパーソンでもあったけど。

そうなんですよ。「これって意味あるのかな」と思うようなことを、やってみたかったんですよね。リストを作るっていう仕事についても、「何の意味があるだろう」とか、「この仕事、他の人でもできるじゃん」とか思うんですけど、自分ならその仕事をどう効率化していこう、とか、どう良くしていこう、とか、そんなことを考え工夫しながら、働き始めました。それが嬉しかったんですよね。

あとは、電話対応とか、メール対応とか、そういうビジネスマナーも初めて学んだんですよ。自分でコンサルをやっていた時は、ほとんどチャットでやりとりしていましたし、電話も学生のノリで、「あ、どうもー」っていう感じで出ていたので、社会ではそれはダメだなってわかって。ツキシマさんっていう、同時期に入社した、もともとアパレル業界で活躍されていた方に、いろいろと教わりながら。ツキシマさんは接客をやっていたので、すごく丁寧なんですよね。その丁寧なやりとりとかを教えてもらって。「これが社会のマナーかー」って。

――「メールの始まりは、『お世話になっております』です」とかね(笑)。

そうそうそう! 「定型文で心がこもってない!」って思いながらも、ツキシマさんに1から教えてもらったんですよね。

本当に、パスチャーっていう会社に入って、社会勉強をさせてもらって…。1年経過して、まだまだな部分が多いんですけど、自分としては、「社会人」としてやりたいと思っていたことができている感じですね。

■小さい頃から、家族の中では、やりたいことはやらせてもらえる環境にあった

――ご家族のこともお伺いしてもいいですか? ご両親はどんな存在ですか?

めちゃくちゃフレンドリーです。自分とも仲良くて、週末は毎週日曜日、一緒に遊びにも行きます。自分は一人っ子なんですけど、本当に仲が良くて、友達かのように接しているんです。でも、2人とも尊敬できる部分はたくさんあるんですよね。背中で語るタイプだな、って思っています。わざわざ自分に対して何かを言うわけではなく、自分自身で行動して、示してくれる。そんな親ですね。

父親に関しては、めちゃくちゃよく働く人ですね。さらに義理人情がすごい(笑)。いろいろな社会人に好かれているというか。「あー、桑原さんー」って近況を伝えられている姿を見て、「あぁ、こういう大人っていいな」って思うんですよね。自分のことももちろん考えているんですけど、他人についても熱く考えている人なんですよね。そういうところから自分も、「頑張りたい人たちを支援したい」っていう気持ちを抱くようになったんだと思います。

――ご両親は「自分の息子が百万円単位で稼いでいる」っていう事実については、どう捉えていらっしゃるんでしょう? 知っています?

もちろん、知っています。「変なことやってんなー」っていう感じですね。「しっかりしてね」とは言われますね。「自分の自由に生きていいし、好きなことをやってもいいし、何でも応援するけど、人に迷惑をかけないで」って、「詐欺とか、そういうのはやめてね」って、そういう感じで言われますね。

自分も小さい頃から、好きなことをやらせてもらってきて、習いごとも、「これやりたい」って言うと、「じゃぁ、やってみなさい」みたいな。でも、「飽きちゃった」って(笑)。それでも、次にまた違うことでやりたいことを見つけたら、「じゃぁ、やってみたら」って。

――習いごとって、どんなことをしていました?

まず、今の自分からは想像つかないと思うんですけど、野球、柔道、体操教室もやりましたね。英語も3歳から塾に通わせてもらっていましたね。結構、長続きしましたね。15年くらい続きましたね。

――あら、長い!

でも、全然、英語は喋れないんですけどね(笑)。

あとは、自分は今、ご飯がすごい好きなんですけど、それも両親の影響ですね。

――しかも、お金持っていると、好きなところに行けますもんね。

いやいや…(苦笑)。でも、そうなんですよ。それがモチベーションなんですよね。ご飯が本当に好きで、「新潟に美味しいご飯を食べに行こう!」って連れていってもらったり、とか。ご飯には、お金を永遠にかけ続ける、厭わないんですよね。

――なるほど。小さい頃から、家族の中で、やりたいことはやらせてもらえる環境にあったんですね。

そうですね。

――例え飽きちゃっても、叱られたり、「なんで続かないの?」って責められたりするわけではなく、「やりたいことが次に見つかったなら、やりなさい。やっていいよ」っていう育てられ方をしてもらったんですね。

そうですね。そういう環境で育ててもらいましたね。

■人が選ぶ生き方に対して、「失敗するよ」とか、「無理だよ」とか、そう言うのは違うんじゃないか

――桑原さんって、中学生とか高校生の頃は、周りの学生に対して、どんな風に見ていましたか? どう思っていました?

絶対にこの人、もっと発言したいだろうな、もっとやりたいことがあるんだろうな、でも、先生に好かれたい、将来のことを考えて自分の意志と違うことをやっているんだろうな、っていうのを感じていたんですね。

――そう感じていたんですね。

はい。で、そういうのを、俺は指摘しちゃうんですよね。「なんで、そうなの?」「どうして、やりたいことを貫かないの?」って言っちゃう。

でも、正直、そういう人たちって、「そんなこと言っても、責任取ってくれるのか」って思うんですよ。さらに、「桑原、お前はそういう性格だから、いいよな」ってなっていくんですよね。それもまたちょっと違うというか、悔しいというか。

――「そう言っちゃったら、それで終わりじゃん」ってなりますよね。

そうなんですよ。羨むのは違うと思っていて、自分がそっちを貫いたら、そこでとことん自分を試せばいいと思うんですよね。周りに好かれるように、将来のためを考えて自分の意志と違うことをやる人たちに対しては、自分はそれはそれでいいと思うんですよ。でも、周りにいる頑張っている人たち、自分のやりたいことをやろうとしている人たちをそっちに引っ張っていくのは違うと思うんですよね。

例えば、働き方についても大きく2つに分けられると思っていて。

1つは、大企業に行って、サラリーマンとしてしっかりと上まで上り詰めて、例えば家庭を持って、「安定」というか自分が「幸せ」って思えるものを築きたい。そういう生き方を選ぶ人たちがいますよね。それはとても素敵だと思うんです。

でも、一方でもう1つは、自分のような人間が選ぶ、刺激的な人生で、たとえ失敗したとしても、何かに挑戦したいと思う人たちもいますよね。こっちの人に対して、さっきの安定を選ぶ人たちが、「それはないわー」とか、「無理だよ」とか、そう言うのは違うんじゃないか、って思うんですよね。誰もが最初は無名から始まるわけで、でも一歩踏み出そう、って思っているわけじゃないですか。それを否定するのはおかしい、と思うんです。

少し人生の先を生きている人が、「やめておけ」とか、「そんな危険な道を歩むなんて無謀だ」とかってアドバイスするのは、自分は違うんじゃないかな、ってそんな風に見ていました。

――なるほど。「あなたのため」って思って、道をふさいでしまう人はいるかもしれませんね。

でも、そういう人に限って、成功した途端に寄ってきますよね(笑)。

――わぁ!(笑) 年齢で人を見るのは好きじゃないんですけど、今の年で、この若さで桑原さんがそれを見ちゃっているのが、面白いな、って思います。冷静だな、って思います。

失敗って、自分からすると、ありなんですよ。失敗している方が、魅力的じゃないですか。だから、「失敗するよ」とか「そんなの無理だよ」とか、そういうことを言う人たちを相手にしていても仕方がないな、って思ったんですよね。それよりも、頑張っている人を支援する方がいいな、って、そっちの方が健全で前向きだなって思って、そう思ったんですよね。

■「これを絶対にやりたい」って思うものがあって、それを実現するために、”今は”会社に勤めている

――今、いろいろな学生が、「起業」というものに憧れたり、挑戦したりしていると思うんです。

自分としても、すごく嬉しいです!

――でも、成功する人ばかりではないと思うんです。あるいは、起業を目指しているけど、具体的には何をしたらいいかわからないっていう人もいると思うんですよね。その点については、どうお考えですか?

そうですね……。

――起業や自分の事業でビジネスに挑戦したい、と思う学生の中でも、おそらく多くの学生が、「でも、やっぱり、自分には無理かな」って就職っていう皆が進む道を歩むんだと思うんです。初任給っていう目に見える手にすることができる金額がわかるじゃないですか。でも、同時に企業に入ったら、給料の上限もある。30歳で1500万円を稼げる人なんて、一握りだってことも悟るわけですよね。

一方、起業を選ぶ人は、つまり多くの人と異なる道を選ぶ人は、最初こそ無名だけど、いろいろ失敗しながら突き進んでいけば、もっと大きなお金を稼いで、自分らしく活躍する可能性は持っていますよね。

安定を選んで妥協するのか、挑戦して賭けに出るのか、その2つの人生の起点で悩んでいる学生って、結構多いんじゃないかな、と思うんですよね。

自分も今、会社に入っているわけじゃないですか。でも、自分は確実に将来の目標を持っているんですよ。「これを絶対にやりたい」って思うものがあって、それを実現するために、起業する、とか、会社に入る、とか、そういった選択肢があるんだと思うんですよね。

でも、渡辺さんがおっしゃったような方々って、恐らく「起業」がしたいんですよね。確かに「起業」が目的であっても素晴らしいとは思いますが、長続きはしないと思います。たどり着きたいゴールがあって、それに到達するために起業するのがいいのか、会社に入るのがいいのかを考えればいいんじゃないかな、と僕は思うんです。

もし、今、自分に十分な力がないって思うなら、会社に入って学ばせてもらう経験を積めばいいと思うんです。その後で起業してもいいわけです。正直、ここについても人それぞれで、会社になんか入らずに起業してしまえば学べると考える人もいると思いますが、自分は、会社に入って学ぶのが一番の近道だと考えたんです。

――なるほど、おっしゃる通りですね。素晴らしいですね。

マジっすか?(笑) こんなに語っていて、自分で恥ずかしいんですけどね。そして、こんなこと言ったからこそ、もっと頑張って実績を出さなくてはいけないですね!

正直、「未来を見ていないんじゃないか」って思うんです。「起業って格好いい。だからやりたい」っていう学生が増えている気がするんです。でも、ビジョンやキャリアって近くしか見ていないと、頑張りきれない。途中で折れてしまうんだと思うんです。

失敗なんて、絶対にあると思うんですよ。自分の場合は、めちゃくちゃ人に恵まれているし、運もあって、多少の成功は手にできたんですけど、「失敗したらダメだ」って思ったことはないんですね。ダメだったら、その解決方法を探せばいいじゃないですか。ダメになってから、企業に入って学び直すことだってできるわけだし、「まずはここの会社に入って、これを学んで、このタイミングになったら会社を離れて、自分でビジネスをやってみよう」って思ってもいいんだと思うんですよね。

■新規事業の成功は、自分の功績にもなるし、甲斐さんも喜ぶし、会社の発展につながる。だから頑張る

――おっしゃる通り、見据えた先にしっかりビジョンがあれば、目の前の選択肢ひとつひとつに意味を見出せますよね。

自分は目標として、頑張ろうと思っている人たちが「無理だよ」って言って足枷になってしまう人たちに勝てるように、若い人たちを応援したいんですよね。それがVCなのか、講演会をするのか、コミュニティを作るのか、それはまだわからないんですけど。とにかく今のままでは、社会で通用するものを持っていないし、ダメだ、って思って会社に入る道を選んだんです。

転売とコンサルは、単純にお金を稼ぐだけだったんですよね。嫌なものからは逃げていたし、効率ということを追求していたけど、メールや電話のビジネスマナーもわかっていないんじゃダメだ、と思ったんですよね。

――それでパスチャーさんに入社した、と。

自分はめちゃくちゃ運が良くて、自分が理想として仰ぐ起業家の甲斐さんの下につけたし、カワサキさんっていう営業職として活躍してきた人と一緒に働けたし、先ほどのアパレル出身のツキシマさんから丁寧な仕事の仕方を学べたし。ここの会社では、こういうことを学びたいっていう明確な欲求があってパスチャーに入ってきたので、今、それを学べるっていうのはすごく大事だなって感謝しているんですよね。

さらに言えば、甲斐さんはインターンに対してでも、仕事を任せてくれる。「え、インターンにこれを任せていいの?」って思うような仕事もたくさんあるんです。でも信じて、新規事業を任せてもらえて、自分が実績や功績を作るチャンスを与えてくれたんですよね。

いつかは自分でビジネスをやって、自分の目標を達成したいと思ってはいるんですけど、会社員としてもちゃんと実績を残せるようになりたいと思っているんですよね。

――それが冒頭に教えてくださった新規事業?

そうです。インスタグラマーさんたちが、自分のプロフィールをもっと見せやすくするためのサービスの立ち上げです。

インフルエンサーはじめ、不安定だけど自分の夢をおって挑戦している人とも仲良くさせてもらっているのですが、彼らも未来が見えないけど、必死にどうやったらいいかっていうのを考えているんですよね。周りから、「どうして、そんな道に進むの?」って言われつつも、頑張って自分の道を切り拓こうとしている。そういう人たちも応援したいな、と思っているんですよね。そういう意味でも、新規事業を成功させるために頑張っている途中です。

成功すれば、自分の功績にもなるし、甲斐さんも嬉しいだろうし、有名になるだろうし、会社としても発展につながりますよね。だから、頑張りたい。

――素敵です!

でも、それを進めていく中でも、今、自分に足りないものが沢山見えてくるんですよ。自分がやっていた転売もコンサルも、正直、スモールビジネスだったので、小手先で何とかなっちゃったんですよね。素人でも、何とかなった。

今回の新規事業は、かなり大きい仕掛けがあって、世の中を動かせる大きなサービスなので、チームメンバーをまとめ上げなくちゃいけないし、どうやって初期のユーザーを獲得していくか戦略も練らなくちゃいけないし、どのくらいの時期でどのくらいの発展ができていないといけないかも考えなくちゃいけないし。すべてが今、手探りなんですよね。

甲斐さんからしたら、めちゃくちゃ不安だと思うんですけど。「こんな奴に任せて大丈夫なのか」っていう感じだと思うんですけど、そんなこと言っていても仕方がないですよね。だから今、学びながら、がむしゃらに前に進んでいる感じですね。

■「会社に入るのがゴール」って、もったいないって思う

――自身のキャリアに、到達したいゴールがあって、逆算して自分が今すべきことが何かを考えて、行動に移して。本当に素敵だな、と思います。「学ぶために会社に入る」っていうのがとても新鮮な響きだな、と思って。

「会社に入るのがゴール」って、もったいないって思うんですよね。会社に入るのは、何か成し遂げたいことがあったり、何かのためだったりすると思うんです。それなのに、内定をもらうことが目的になっちゃうと、それはちょっとおかしくないか、と。

大学受験とか高校受験とか、皆、めちゃくちゃ勉強するじゃないですか。第一志望を定めて、希望通りの学校に進学できないなら、留年する人もいる。しかも、それは「将来のため」とかって言っていたりもする。

それが就職になると多くの人が、途端に、「まぁ、ここかなー」、「あ、この会社、受かったー」、「じゃぁ、ここでいっかー」っていうのは、どうなんだ? と。なんか、急に周りの流れに流されてしまうのって、違うんじゃないか、と思うんですよ。

――確かにそうですね! これは私の考えなんですけど、大学は浪人しても、就職は浪人までする人は少ないじゃないですか。それって、どこか「自分」じゃないんじゃないか、って思うんです。周りの雰囲気とか、プレッシャーとか、期待とか、そういうものに依るところが多いんじゃないか、と。本当に行きたい会社があるなら、それこそ浪人したっていいのに、そこまでの熱がないから、「とりあえず内定をもらえたところに行こうかな」って。それはそれでいろいろな条件や環境の要因があるとは思うんですけど、もっと目標とか目指すものとかがあってもいいのにな、って思うんですよね。

えー、それは意味がわからなくないですか? だって、ほとんどの人が大学に進む時に、「いい会社に入るため」とかって言っているのに。

――そうなんですよね。やっぱり、周りの目とか、周りの期待とかっていうものに、選択を迫られてしまう現実があるんじゃないかな、って思います。あとは、「必死に就活するのダサい」、あるいは「ダサく映るんじゃないか」とかっていう意識もあるのかな?

そういう点では、自分にはプライドがないんですよ。負けず嫌いだけど、プライドはなくて、周りにどう思われるとか、そういうのどうでもいいんですよ。あ、もちろん良いように思われたいですよ?(笑) でも、皆が就職するのに、自分が内定出ていない状況になって、「やばい! 恥ずかしい!」っていう感覚はないんですよね。

■甲斐さんは「この子がパスチャーに来たら、どういうことを学んでいくのか」を考えている

――パスチャーの面接っていうのはどういう感じですか? 桑原さんはインターンとして、面接を受けたと思うんですけど。

パスチャーでは、インターンを含め、最後には甲斐さんが面接をするんですけど、甲斐さんは「この子がパスチャーに来たら、どういうことを学んでいくのか」を考えているんですよね。「目の前の人が、人生のゴールに向かって進んでいく、その過程にパスチャーで過ごす時期があっていいのか」っていうのをすごく見てくれるんですよね。「パスチャーを卒業していっても、ここにいて良かったって思えるのか」って。

例え、どんなに忙しくて、人手が足りない時には、喉から手が出るほど人が欲しかったとしても、会社の成功のためだけに採用するっていうことはないと思うんです。応募に来た人の人生をちゃんと見てくれる人なんです。

でも、それも理に適っていて、その人のキャリアの過程にパスチャーでの経験が合っているなら、本人も辛くても辞めないと思うんです。正直、辛いこともあります。給料だって、自分のビジネスをやっている方が稼げる。やりたくない仕事もある。でも、自分は今、学ぶ過程なんですよね。だから、頑張れるんですよね。

あとは社員、チームとしても、そういった信念がある人が多いんです。魅力的な人が集まってくるんです。それも、甲斐さんが「馬が合うな」「波長が合うな」っていう人を選んで採用しているっていうのが大きいです。だから、皆で行く飲み会も楽しいし、ダーツも楽しいし、働くのも楽しいんですよね。皆で良い影響を与え合ってもいると思うんです。

■業務自体も楽しいし、メンバーの一人ひとりが面白くて魅力的で、素敵。本当に楽しい会社

――パスチャーっていう会社について、もう少しお聞きしたいんですが、メインの事業としては、SNSをどう活用していくかを扱っているんですよね?

「インスタグラムマーケティング」って言われるものですね。当社としては、SNSやAPIから得たデータを持っているのが強みですよね。既にリリースされているシステムサービスで蓄積した膨大なデータがあるんです。そのデータやノウハウを活用して、企業のPRを弊社で担って、より効果的なインスタグラマーさんを選んでキャスティングする、とか、そういった仕事もしていますね。

――今の若い人たちって、当たり前にインスタグラムを使っているじゃないですか。だから、それを活用したビジネスって、とても魅力的に映ると思うんです。

その通りです! それこそ自分は可愛い女の子とご飯に行くのが好きなんですけど(笑)。

――「可愛い女の子」と「ご飯」! それはわかりやすいな!(笑)

我ながら「欲まみれ!」っていう感じですけど。だからこそ、インスタグラムを扱う業務自体も楽しいんですよね。イベントを企画する時に誰をキャスティングするかって練るのも好きです。「この商品なら、このインスタグラマーにアピールしてもらったら、絶対に面白いな!」って考えたりとか。それが仕事として成り立っているのは幸せですね。

だから、インスタグラムが好きで、キレイなもの、キレイな人、カッコいい人が好きな人にとっては、パスチャーはすごく魅力的な会社に映るんじゃないかな、と思います。

――ただ、甲斐さんは、ちゃんと一人ひとりの信念を見抜いて、採用なさる、と。ちゃんと馬が合うか、チームとして同じ方向に頑張れるか、しかも個々人のキャリアのためになっているか、と。

そうですね。だから自分、皆のことが大好きです。メンバーの一人ひとりが、面白いし、魅力的だし、素敵だし。本当に楽しい会社ですね。

■自分は運がいいし、人にも恵まれているし、「なんとかなるだろう」って思っている

――桑原さんって、これまでに失敗した、痛手を負った、っていう経験ってあります?

あー……(苦笑)。自分はきっと、失敗を失敗って思えないんですよね。変に自信家っていうか。これを前に出すと、驕り高く映ってしまうので、あまり出さないようにしているんですけど、自分は運がいいし、人にも恵まれているし、「なんとかなるだろう」って思っているんですよね。これまでの経験とか根拠とかから、「なんとかできるだろう」って。

もちろん自分だって、失敗経験はあったと思います。でも、ポジティブなのか、忘れっぽいのか、あまり覚えていないんですよね。「反省しろよ」っていう感じなんですけどね(苦笑)。

――こうしてお話を伺っていると、桑原さんって、すごく冷静だな、って思うんです。いろいろなことに対して。自分がのめりこんでいる状況も把握しているし、自分が周りからどう思われているのかも把握しているし。何か言われる前に、「いいじゃん、実績あるんだし!」とか、「いいじゃん、やりたいことやって何が悪いの」とかって、言える状況に自分の身をおいた上で、冷静に見ているんじゃないかな、って思うんです。

なんか、一番嫌われる人ですよね。うざい人ですよね。

――いや、「眩しい人」ですよね。

嬉しい表現ですね(笑)

――嫉妬されるかもしれないし、「調子に乗ってる!」って思われるかもしれないけど、時代は桑原さんの味方になると思うんですよね。

そういう時代になっていったら、いいですよね。

人からどう思われるのか。自分で言うのはなんですけど、この点については、大人だと思うんです。いろいろなことを考えるし、いろいろな人のことも見ているつもりです。「あー、この人はこんな風に感じて、こんな風に考えたんだろうな」って。

――冷静に分析していらっしゃるわけですね。

でも、自分のずるいところは、それを出さないんですよね。やっぱり、接してもらう時は、フランクの方が相手も素を出しやすいじゃないですか。だから、普段は、「いえーい!」「ほーい!」っていう感じなんですよね。

――うわっ、絶対に怖いタイプじゃん!(笑)

そんなことないんですけど!(笑)

――いや、だからこそ、「桑原さん、冷静だな」って思うんです。立ち居振る舞いを見ていても、テンションにしても、若くて無邪気なんですけど、話していることは全部、冷静な分析に基づく論理なんですよね。きっと本質を見ていて、周りの人がどう思っているかもわかっている。少なくても、わかろうとしている。その中で、ちゃんと立ち居振る舞いを理解している。

恥ずかしいですね(笑)。でも、こうやって楽しくしている自分も本物の自分ですよ? でも、考えているところと、振る舞っているところのメリハリをつけるようには意識していますよ?

――もちろん! それはわかっていますよ。

第一印象で、最初のとっかかりになる時に、冷静な自分じゃ嫌だと思うんですよね。自分は本当に人が好きなんですよ。仲良くなりたいと思うタイプなんですね。

でも、だからこそ、最初から冷静な自分を出しちゃうと、「お前、なんなの」ってなっちゃうし、そうなっちゃうのは自分としても嫌なんですよね。

――なるほど。バランサーですね。自分のどの部分をどう出したらいいか、周囲を見渡しながら、バランスを取っていらっしゃる。

■「コンプレックス」や「悩み」はない。それらはすべて、「改善点」

――悩みとかってあります?

うーん……。なんだろう……。

――もし、あれば、でいいんですけど。

「経験のないところに対する自信のなさ」ですね。

例えば今回、サービスを立ち上げていて、自信がないって思う部分が多いんですね。例えば、今、新規事業で一緒に働いているエンジニアさんがいるんですけど、そのエンジニアさんがすごく優秀な人で、プロジェクトマネジメントをする立場として活躍したことがある方なんです。でも、今、未経験の自分がその人の上に立って指示をする立場なんです。開発とか、デザインとか、工数とかもわからずに、がむしゃらに進んでいるんですけど、そういう時に「こうしませんか」って言われたとして、ちゃんと全てがわかって「いや、ここはこうした方がいい」って、そんな風に主張できなかった、言い切れなかったんですね。

自分に対して自信や信念があれば、「いや、その意見もわかるけど、これはこうした方がいい」って判断して、貫けるじゃないですか。今の自分は、それがないからか、相手に言われたことになびいちゃったりするんですよね。それは自信のなさの表れだな、って思うんです。

本物のコンサルなら、例え細かいことがわかっていなかったとしても、自信を持って信念を貫いて、主張するじゃないですか。そういう自分を持ちたいなと思うんです。

でも、これはコンプレックスや悩みっていうよりは、改善点だと思うんですよね。「コンプレックス」って逃げているような気がして。「コンプレックス」っていう言葉で片づけちゃいけないと思うんですね。こんなことを言ったら、また、「お前、なんなんだよ」って言われちゃうと思うんですけどね(笑)。

――やっぱり冷静に自分を把握していますね。

あとは、大勢の前で話すのも得意じゃないですね。昔は余裕だったし、苦手な方ではなかったんですけど、この前、社内で発表する機会があった時に、真っ白になっちゃったんですね。「あれ、大丈夫だと思っていたけど、ダメだったのかな」って。多分、準備不足だったんだと思うんですけど、これは改善しないとな、って思いましたね。

――なるほど。桑原さん、「自分らしさ」っていうのはどうですか? どう自分のことを表現します?

「自由」ですかね。

――なるほど! その通り!

ただ、今は、パスチャーっていう会社で働いているので、自由はセーブしていますね。本当だったら、眠かったら寝たいし、自由に外に出かけたいし、カフェで仕事したいし。でも、会社に通っている立場だし、チームメンバーもいるし、今後、自分で自分の組織をつくる上で、経験しておかないといけないと思うんですね。だから、「自由」だと思いますけど、自分でセーブしていますね。

■他の人が褒めてくれなくても、自分だけは自分のことを褒めてあげる

――お話を伺って、「実績」ということにこだわりがあったり、コミットする気持ちが大きいのかな、と思うんですが、それはもともとの性格ですか? どういう心理なんでしょう?

本当は、本当には、ここまで語ってきて、逆のことを言うようなんですけど、自分は自信がないのかな、と思うんです。だからこそ、小さな成功を積み重ねたい、っていうのはあると思います。

自信がないっていうことをどう改善するか、って考えたら、小さな成功を重ねるしかない。だから、他の人が褒めてくれなくても、自分だけは自分のことを褒めてあげよう、って考えています。「え? そんなことでも成功って言うの?」「そんなことで喜ぶの?」って思われることも多いと思うんですけど、ハードルが低いというか、ツボが浅いんです。少しでも改善できたら、「やったじゃん、自分!」って思える性格だと思います。

――素敵! いいですね!

■後から、「へー、この人って、実はすごい人なんだ」って思われる、そんな人でありたい

――最後に2つ訊きたいんですけど。1つ目の質問。有名になりたいと思います?

有名っていうのは?

――例えば、メディアに取り上げたり、街を歩いていて、「あれ? あの人、桑原さんじゃない?」って認識されたり。

あぁ、それは最高ですね!(笑)

でも、「あ、あれ、桑原さん?」って言われたい、っていうことよりも、この世に対して、社会に対して、すごく思うことがあるんですよね。でも、1人の学生として主張しても、あまり意味がなくて、そういう主張に影響力を持つためには、有名にならなくちゃいけないなって思います。ちゃんと発言に影響力を持てるようになりたいですね。

――2つ目の質問。髪の毛の色って、こだわりはあります?

黒は嫌です。

――明確!(笑)

自分でビジネスを始めた時にも、「もっとビジネスマンらしくしろよ」「経営者っぽくしろよ」って言われていたんですけど、俺はそれは嫌なんですね。

自分はもっと、例えば学生たちからも気軽に相談される存在になりたいんです。さっきから学生たちを応援したいって言い続けているんですけど、だからこそ、気軽に声をかけてもらえる存在でいたいんですね。

今もインタビューをしていただいて、話しやすくて、ありがたいんですけど、そういう存在でいたいんですよ。しっかり話を聴かせてもらったり、悩みを打ち明けられたりする存在でいたい。そのためには、「この人、オーラやばい」とか、「なんか怖い」とか、そういう人になりたくないんです。むしろ、平凡というか、カジュアルというか、フランクでありたいんですよね。その1つとして、この髪や色もその表れですね。後から、「へー、この人って、実はすごい人なんだ」って思われる、そんな人でありたい。だから、若くて学生っぽく見えるために、この明るめの茶色っていうのを選んでいますね。別に色のトーンとかに特別なこだわりを持っているわけでもないですけどね。

――なるほどね!

もちろん、50歳になった時にも、この髪型か、って言ったら違いますけど。

甲斐さんとも話しているんですけど、「マーケターって、ちょっと変わっている方が面白いよね」って。例えば、髪の毛がクルンクルンで緑!みたいな人がいたら面白いよね、そういうクリエーターっぽい人が活躍していたら面白いよね、っていう話をしていますね。パスチャーを好きな理由の1つはそういうところにもあります。

ちなみに、なんでですか? 茶色い髪の毛、何か感じました?

――いや、今、学生と話していて、「そろそろ髪の毛を黒くしなくちゃいけないと思っているんですよ」って聞くんですね。

わあー、なんでそうなるんだろう?

――事実、多くの会社は、「髪の毛を黒く、自然にしてね」っていうところから指導しなくちゃいけないのか、って考えるんだと思うんですよ。取引先がどう思うのか、っていう切り口も考えなくちゃいけないし、「チャラチャラしている」っていうイメージでは損をしてしまう業界もあるし。

でも、髪の毛の色を理由に面接で落とした人が、実はめちゃくちゃ優秀だったら面白いな、って。「御社は、髪の毛の色を黒くしていない、っていう理由で落としたんです。でも、もっと本質を見抜けたら、実はめちゃくちゃ会社に貢献してくれる、有能な人だったことに気づけていたら、良かったですね。逃した魚は大きすぎましたよね」って。人事とかに突き付けてみたいんです。「企業としての判断軸として、今後のマーケティングとか成長とかってどう思っているんですか? 何が優先順位の上位にあるんでしょう?」って訊き試してみたいんですよね。嫌なやつですよね(笑)。

いや、めっちゃわかります! わかるなぁ!

――でも、一方で、学生にも伝えているんです、「髪の毛の色にこだわるのもいいけれどさ」って。「やりたいことや実現したいことがあって、それを叶える場所があって、そこのルールとして『髪の色は生まれ持った自然であるべき』という決まりがあるなら、それに従っておくのもアリだよね」って。

そうですね!

――だから、桑原さんが、自分がやりたいことのために企業に入って、そこで自分のキャリアの過程って理解したうえで、組織の方針やルールに従いながら学んでいる姿って、とてもいいなぁ、あるべき姿に近いなぁ、って思ったんですよね。今日は面白い話をお伺いできたな、って。

あー、色々話しすぎましたね。そして、話さなくていいところも話してしまった(苦笑)。そして、めっちゃ長く話しましたね。すごい……。

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