• 古屋俊

チームでひとつのことを成し遂げて、みんなで達成感を味わいたい

今回は、営業として働く古屋俊さんにお話を伺いました。ある日、ドーナツを食べていた時、「チームビルディング」という言葉が降ってきたという古屋さんは、それを仕事にしたいと考え始めたことがきっかけで、今の仕事にたどりついたと言います。
現在、営業部で活躍する古屋さんに、営業プレイヤーとしての仕事の楽しさや醍醐味と、チームを率いる営業マネージャーとして意識していることについて、さらには直面している部下育成の難しさについて率直に語っていただきました(34歳の等身大のプライベートライフについても、語っていただいています。こちらもお楽しみください)。

インタビュー実施日:2018年1月5日(らしくインタビュアー川上)

■ドーナツを食べていたら、「チームビルディング」という言葉が降ってきた

――現在のお仕事、入社からの年数などを教えてください。

入社7年目です。今は営業部門で、港区内の特定のエリアを担当しています。お客様である人事部門へ伺って、「研修をやりませんか」という営業をしています。

――ちなみにお立場と肩書は?

営業本部のマネージャーです。自分を入れて営業社員4人のチームをまとめ、マネジメントをしています。

――事前にご記載いただいたアンケートにはお仕事内容について、「組織全体の組織力向上の支援」とも書いていただいていますね。

弊社は“研修屋”というイメージが強かったのですが、今は「Leaf」という人事サポートを目的としたシステムやeラーニング、アセスメントなどのサービスにも力を入れているので、個人の人材育成に限らず、より広い範囲で組織に対するサービスを提供できるようになってきたかな、というところです。

――では、今のお仕事に就いた経緯を教えてください。

前職に3年勤めて、転職してきました。元々……、あのー(笑)…、「チームビルディング」という言葉が降ってきたんですよ、ある日(笑)。

――えっ、どういうことですか?

(笑)。これを言うと怪しいんですけど。

本を読むのがすごく好きで、コーチングかなんかの本を読んでいたんですよね。休日、ドーナツ屋さんかなんかで。その時、ふと雷のように「チームビルディング」という言葉が降ってきまして。実は、そういう言葉があることを知らなかったんですよ。でも、「チームビルディング」って、自分がやりたいこととか、自分の今後を考えた時にすごくしっくりくる言葉で。

すごく嬉しくなってすぐにメモして、帰って調べたら普通に一般的にある言葉だと知りました(笑)。「おい、チームビルディングって、普通にある概念じゃん」と。でも、その後、いろいろ調べていく中で、チームビルディングをサービスとして提供している研修の会社やコンサルの組織が存在するとわかったのが前職3年目の秋くらいのことですかね。その中でも教育・研修業界って面白そうだと思って転職を考えました。

――差し支えなければ、前職はどういった業界だったか教えていただけますか?

WEB系の会社で、ホームページ制作とか、自社メディアを持っているような、全然畑違いの会社だったんです。職種は今と同じ、営業です。

■「チームでひとつのことを成し遂げて、みんなで達成感を味わいたい」そう思って就活した

――それにしても「降ってきた」というのは面白い表現ですね。

そうですね。上手く伝えづらいんですけど、当時は世の中に「チームビルディング」という言葉はないと思っていたので、「これは新しい発見!」と思ったんです。だけど、普通にあったんで(笑)。無知だったんだな……と。今考えてみれば、きっとどこかで聞いたことがあって、頭の片隅にあったんだろうなとは思います。

実は私、就職活動をちゃんとしていなかったんです。大学の単位もギリギリで。当時、周りのみんなのように2年生の夏からとかではなく、3年生の3月ぐらいから就活を始めました。テストが終わって、進級できると決まってからだったのでスタート自体も遅かったんですけど、とにかく働くことにマイナスイメージしかなくて。働きたくないなあと思っていたんです、なんとなく。

どうせ働くなら、楽しく働きたいなと。これは「楽に働く」というのとはちょっと違うんです。元々、サッカーをやっていたこともあって、「チームでひとつのことを成し遂げて、みんなで達成感を味わいたい、そういう環境にいられたら自分は楽しめるな」って思ったんですよね。

――就職活動をする段階で、既にそう思っていた。

そうです、そうです。新卒で入社した前職の会社の経営理念が「Joy of Work」、仕事を楽しもうというものでした。サイバーエージェント出身者が起業した創業2年目くらいの会社で、自分の思っていた働き方と似ているかもしれないと思って、入社したんです。

自分が好きなことをやれば、個人で仕事を楽しめるのかもしれないけど、みんながみんなそうじゃないのでは、と思ったんですね。大学時代の私の同期たちは、名前の通っている大企業に入社していたんです。超売り手市場の時だったので。でも、みんな本当に仕事が辛そうで、つまんなそうだった。かたや、吹けば飛ぶようなベンチャーに入社した僕が、仕事自体はすごく楽しかったんです。同期と会うたびに話を聞いていて、「なんでそんなにつまんないんだろうな」って思っていました。

そこで、「どうやったら働くことって楽しくなるのかなあ。そういえば就職活動の時に、自分はこう思っていたな」って振り返って掘り下げていった時に、「いいチームが作れたら、その単位で働けば、そこに属している個人はもっと楽しく働けるんじゃないかな」って思うようになったんです。そういうこともあって、後々「チームビルディング」という言葉が降ってきたんでしょうね。

――なるほど!

今働いている株式会社インソースには、「あらゆる人が『働く楽しさ・喜び』を実感できる社会をつくる」という理念があります。実は私は、就職活動中も転職してきた当時もずっとそれを考えていたんです。どうやったら「楽しく働く人」が増えるのか。そのためにはチームがひとつの大事な要素なんじゃないかなと。転職してきてから、インソースが今の理念を打ち出した時には、「おおっ!」と思いましたね。

■営業としてお客さんの信頼に足る人物でなければいけない

――そして今、7年目なのですね。

ずっと営業で、通算5年くらいになりますが、間に1年8か月ほど、公開講座部(オープンセミナー型の研修を企画・運営する部署)というところでマネージャーをやっていました。昨年の5月に戻ってくるまでは、一旦営業から離れていたんですよ。

――そうだったんですか。営業に戻られて、いかがですか。

いやあ、楽しいですね(笑)。公開講座部が合わなかったわけじゃないんですけど、営業の方が自分の力を発揮できるな、と思っています。

――営業職としての古屋さんのこだわりや、プロ意識には、どんなものがありますか?

こだわりってなんだろうなと考えた時に、営業をする上でなら、そこかなと思ってまして。やっぱり「御用聞きじゃないぞ」ってことはすごい強く思っているんです。

――御用聞きではない。

はい。お客さんとは対等な、人材育成の問題を解決するパートナーであるという意識を強く持っているので、良い意味でへりくだらない。下から「仕事くださいよ」ではなくて、しっかりパートナーシップを築いて、「この関係でやっていきましょうね」と、なるようにはしていますね。

――そのために心がけていることはありますか?

営業として信頼に足る人物でなければいけないと思うんです。専門家レベルの知識を持った、コミュニケーション力のある、いつでも相談しやすい人という位置づけでいることですかね。お客様に全て迎合してしまわず、基本的にはしっかりと自分の考え、プロの知見を持ってお伝えできるように、専門家としての意見を伝えることを意識しています。

――専門家としての知見は、どうやってインプットしているんですか?

ネット、本、新聞などから得ている情報はすごく多いですね。そもそも、人材育成とか教育に関することが好きなんです。仕事の枠を越えて興味があるので、Twitterでもそういった業界の人をめっちゃフォローしています。

――Twitterは良い情報収集ツールですよね。最近“刺さった”ツイートはありましたか?

今日、Twitterで「本当にそうだな」と思った意見があって。幻冬舎の編集者である箕輪厚介さんが「真面目に働くのがバカらしくなった後も、気が付いたらやってしまっているのが本当の仕事だ」と書いていて。堀江貴文さんの著書や、佐藤航陽さんの『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』というベストセラーを編集した方なんですが、このつぶやきに激しく共感しました。

最近、仮想通貨がバブルみたいになるほど流行っていて、お金の価値観が変わってきているなあと思いますよね。一瞬で利益が膨らんで、1か月分の給料がポーンと稼げちゃう……、稼ぐという言い方は変ですけど。そうすると、真面目に働いているのがバカらしくなるけど、それでいいんだと。

――さっきおっしゃっていた通り、敢えてインプットするという感じではなくて、好きだから、興味があるからこそどんどん情報を取り入れて貯めていく、ということに繋がるのですね。

そうですね。自分自身、探求心があるので、もっといい方法はないかと。例えば、いい評価制度はないか知りたい時に、上手く回っている評価制度の記事が目に入ると、「ほおっ!」と思って。

――そういった情報はどこに保存しているんですか?

Twitterもそうですし、日経新聞の記事はブックマークできますし、Evernoteも使っています。これは苦じゃないんです、自分が興味のあるところなので。後で「なんか、これどこかで見たな」と、自分が保存したものの検索はよくしますね。保存だけして忘れているようでも、頭の片隅にあるんでしょうね。「おお! そういえばこれあったわ」みたいなことがよくあります。

■根回ししたり、調整したりすることは苦手。そして、人に仕事を任せることも

――仕事の中で苦手なことは何かありますか?

昔から、根回ししたり、調整したり、あと人に仕事を任せることは苦手ですね。根回ししたり、誰かに任せたりしていろいろ面倒くさくなるんだったら、自分でやってしまおうと(笑)。マネージャーとしてはよくないんですけど、これが昔から抜けなくて。

――じゃあ、もしかして今、苦労されているんじゃないですか?

(笑)。そうなんです。本当はもっと人にどんどん任せて、仕事を切り分けていこうとする時なんですけど。

自分を入れて4人のチームで、他の3人は全員新卒入社組です。1年目、3年目、4年目の社員のうち、一番営業経験の長い4年目の社員には何でも任せられるくらい力量があるんですが、他の2人は営業として1年目。なかなか自分の仕事やお客さんを任せきれていなくて。そうすることで成長するのでしょうが、まだ私自身がそこまでできていないですね。

――これからの課題という感じですかね。

そうなんです。どんどん自分が忙しくなってきますので。

ただ、公開講座部にいた時の方が、根回しや調整が今より必要でしたね。20名ぐらいの部署のマネージャーでしたし、その他の関係者もすごく多かったんです。売上規模も、1部署で当時8億円ぐらいありました。それに比べると、今は4人のチームで売上は1億円程度ですからね。

――苦手な根回しや調整が多いし、やっぱり営業に……って?

(笑)。それはありますね。前の部署では「俺、根回しと調整ばっかりやっているな」みたいな(笑)。でも、そういう役割だったし、まさにそれが必要な仕事だったんですけど、「いや、なんかこれ、俺じゃなくてもいいな」みたいな気がして。

――基本的には、実際に自分が動く仕事の方がお好きなのですね。

そうですね。たぶん、自分はそっちの方が得意で、力を発揮できるなと思っています。

――現在のポジションもそうですが、だんだん立場が上がってくるとマネジメントは必ずついてくると思います。マネジメントの視点から、仕事について部下にはどのように伝えていこうと思っていますか?

新しいチームができたらキックオフミーティングをするのですが、その際に、目標数値などに加えて、自分のマネジメントスタイルや大切にしている思いを伝えています。

困った時は助けるし支援すると伝えた上で、あまり構いすぎないようにしています。いつも相談しやすい雰囲気は常に作りつつ、相談があればいつでも手を止めて聞くことを意識しているつもりです。自分から「あの件はどうなった? この件はどうなった?」とはあまり聞かないようにしていますね。

だから、私の部下になった子は、「古屋には放置されている」と思っているかもしれません(笑)。

――でも、マネジメントされる立場からすれば、手を挙げればいつでも助けてくれるという存在はありがたいです。

インソースは今、ずっと売上が伸びていて好調だから、部下に任せてもそれを維持できているのかもしれません。状況が厳しくなってきたら、マネージャーとして関与する度合いも増やすべきなのかな……、自分のマネジメントスタイルにいつか限界が来るのかな……、って思うことも、なきにしもあらずです。

■「私、よく物をなくして怒られるんですよ、財布とか(笑)」

――古屋さんが自分で思う「自分らしさ」とは何でしょうか。事前のアンケートには、「未来志向」と書かれていますが。

「自分らしさ」とは何だろうな、って結構迷いますね。良く言えば未来志向なんですが、悪く言えば忘れっぽくて、気にしなさすぎ。私、よく物をなくして怒られるんですよ、財布とか(笑)。つい最近も、カバンまるごとなくなって。

――ええっ!

持っていかれちゃったんですよ、後で見つかったんですけど。彼女にすごく怒られました。基本的に「なくなったものはしょうがない」と思っちゃうんですよね。クレジットカードを盗られるのにも慣れちゃっていて、「ああ、なくなった~、はいはい~」って手続きを始めるみたいな(笑)。変えられないことにウジウジしない。これから先にできることにしか興味がない。さらに言えば、固執しない、というのも自分らしさかもしれません。

ちょっとプライベート寄りの話ですが、「自分よりも、相手に幸せと思ってもらえる方を最優先したい」んですね。わかりやすく言うと、食事しようという時に相手に食べたいものを聞いて、自分の食べたいものと全然違うものだったとしても、それに合わせられる。「いやいや、今俺は別のものが食べたい気分だわ」とか「えー、それ?」などと主張することはありません。例えば、あっさりしたものが食べたい時に、こってりしたものをリクエストされてもまったく問題なく食べられます(笑)。

――私も少なからずそういうところがあるので、よくわかりますが……息苦しくなりませんか?

全然ないんですよね。

■トレンドになっているものは、とりあえずやってみる

――とはいえ、これだけは譲れない! ということは?

しょうもないんですけど、「ビールはグラスに注いで飲むこと」(笑)。これは譲れないマイルールです。ビールがすごく好きで、クラフトビールや地ビールについて一時期勉強したこともあるので結構詳しいんですよ。

――なるほど、それで「ビールはグラスに注ぎなさいよ!」と(笑)。

人には一応言うんです。「注いだ方が美味しいよ」と。それでも缶で飲むっていうんだったら、「別に、飲んだら?」みたいな(笑)。でも自分で飲む時は絶対です!

――そうかそうか(笑)。無理強いはしないけど、自分自身については譲らないんですね。

良い意味で多様性を受け入れている、悪い意味で周りへの関心が薄いのかなと思います。自分にしか興味がないというわけではまったくないんですが、相手に対してそこまで求めないところはありますね。

――そして、「好奇心旺盛」というキーワードも書かれていましたが、具体的に教えてください。

トレンドになっているものは、とりあえずやってみようとしますね。今なら、リスクのない範囲で仮想通貨を買ってみようとか。「仮想通貨? 全然関係ない」と思わずに、「流行っているんなら、ちょっとやってみようかな」って手を出します。話題のスマートスピーカーも、とりあえずAmazonのものを買って、とりあえず話しかけてみました(笑)。「……全然することないな!」と(笑)。でもそれって、買ってみないとわからないじゃないですか。だからちょっと買ってみて試してみて、というのをよくやっています。

■辛い経験もへこむような体験も、笑いのネタにしちゃうことが多い

――前向きなんですよね、常に前向き! 古屋さんのそんな自分らしさが仕事でどう活かされているのか、という質問に対しての回答は、「営業は断られることも多く、へこむことも多いが、すぐ切り替えられる」。

営業って結構しんどいんだろうなって思って、「へこむことが多い」と書いてはいますが、実は私、あんまりへこんでないんです(笑)。

考え方の入り口が違うのかもしれません。例えば、テレアポひとつとっても、要らないものは要らないでしょうし、嘘ついて口車に乗せてアポイントを取っても変ですよね。正直に「こういう会社です。こういう事業をやっています」と言って、それで「今、要らない」と言われたならば、「要らないんだな」って思うタイプです。だから、テレアポは「要る人に出会うためのスクリーニングの作業だ」って思っています。300件電話をかければ、だいたい10社はアポイントが取れる確率なので、その10社に至るまでのスクリーニングの作業だと思えば、断られても、「はい次、はい次」って思えるんです。

――こうして聞くと、本当に考え方次第ですね。

例えば、「すいません迷惑です!」ってガチャ切りされても、ちょっとした笑い話にできるんですよね。「うわあー! めっちゃキレられた!」とか(笑)、その場でパッと周りに言ってしまいます。

――ちょっとでもモヤっとしたらすぐ吐き出して、切り替えて、次!

そうですね。あ、結構人に話すかもしれないですね。

――あまりストレスがたまらないタイプですか?

笑いのネタにしちゃうことが多いですね。カバンなくした話も、実は結構深刻じゃないですか。でも次の日、朝一でいきなり、「すみません、毎度ですが、カバンなくしましてー」って笑い話にしてしまう(笑)。「また警察から電話あるかもしれないので、その時はよろしく!」みたいに言えると、少し気が楽になるというのもあるかもしれませんけどね。ひとりで「ああ、なくして怒られた……」って思うより。

――人に言うというのはいい方法ですよね。他に、仕事に活かされている古屋さんらしさは「マネージャーとして部下を尊重してマネジメントできること」。これは先ほどお話しいただいた部分ですね。

もちろん、自分の営業のやり方にこだわりもありますし、こうやったら上手くいくんじゃないかなっていう方法もあるんですが、そこにあまり執着はないんです。自分なりの成功体験に基づくやり方を、「絶対こうした方がいいよ」などと、押し付けすぎることはありません。部下が悩んでいて、上手くいっていない様子だったら、「こういうやり方もあるよ」とアドバイスはしますけど、上手くやっているのに、「こうやりなよ、これやらないとダメだよ」と押し付けたりはしないですね。

■癒し・息抜きは「日曜日に何も決まった予定のない、土曜日の夜の晩酌」

――さらにアンケートの回答についてお伺いしていきます。癒し・息抜きは「日曜日に何も決まった予定のない、土曜日の夜の晩酌」(笑)。わかりますよ、これ!

(笑)。私、趣味とかあまりないんですよね。だから、美味しいビールを飲むこと。ひとりで飲むより、彼女と一緒に飲むことが多いんです。その時間が一番リラックスできます。

――いいですよね。次の日に何もないっていうのが。家で飲むんですか?

家が多いですね。次の日は何時に起きてもいいかー、みたいな。飲みすぎたりはしないですけど。

――クラフトビールに詳しい人が家で飲む、ということは冷蔵庫に買い置きがたくさんありそう。

そうですね。店であまり売っていないメーカーのビールも好きなので、通販で買うことも多いです。

――地ビールって、自分で作る体験ができるところもありますよね?

ありますね。自分で作ったことはないです。あんまり自分ではその……、美味しいものを飲みたいなと思うので(笑)。ちなみにラーメンもすごく好きですけど、自分でスープや麺から作りたいと思ったことはないです(笑)。

――そこは人が作ってくれた方が……。

そうですね、美味しいラーメンが食べたい(笑)。

■営業ほど自由な仕事って他にないんじゃないかな、と思う

――また、話をお仕事についてに戻したいと思います。古屋さんは、どういう営業さんとしてお客さまに認知されていますか? あるいは、どう見られるよう「見せ方」を意識していますか?

もう営業職も8年目にもなるので、そして年齢も33歳なので、ひとりのビジネスパーソンとして、まずはしっかりしているな、と相手に認識してもらうことが大事かな、と。
そのうえで、「教育分野で経験や知識があるんだろうな」と安心して接してもらえるように意識はしていますね。

――「営業」って聞くと、「大変そう」「自分には無理そう」という学生が多い印象があるんですが、「営業」のお仕事って、実際のところ、いかがですか?

僕は大学時代から営業職志望だったので、あまり「大変そう」「無理そう」って感じたことはないんですけど。

――大学時代から営業職志望、という背景も聞いてもいいですか?

そもそも、起業したかったんですよ。だから、商売としてモノやサービスを売れる力って、どんなシーンでも必要だと思ったんですよね。お客さんに価値を提供して、お金をいただく、っていうのは前提としてできるようにならないといけないな、と思ったんですよね。

あとは、通っていたシステムの学科で、あまりにもできなかったので(苦笑)、営業職の方が向いているかな、と。そう思っていたので、営業職に対して怖いとか、不安だとか、そう思ったことはないんですよね。

――なるほど。営業の醍醐味ややりがいに関してはいかがですか?

営業ほど自由な仕事って他にないんじゃないかな、と思うんですよね。もちろん、売る商材によって制約は様々ですけど、結果的に成果が出るならば、どう売ってもいいと思うんですよ。そして、自分の行動の結果が見えやすい。達成感や組織への貢献度が見えやすいっていうのも、営業の仕事のいい部分なんじゃないかな、と思います。

あとは、これは自負している部分なんですけど、営業って最前線でお客さまと向き合って、売上を取ってくる、会社の「心臓」に近い部署だと思うんですね。そういう意味でも、自分の貢献が会社の業績を作って、組織の成長を支えている、と感じることができるので、それもやりがいになるんじゃないかと思います。

――より多くの学生が営業っていう仕事に魅力を感じるようになったらいいですよね。

僕、思うんですけど、営業にはもちろん提案書を作る、見積書を準備する、そういった仕事もあると思うんですけど、ほとんどが喋る仕事だと思うんですよね。自分が語って、何かを伝えて、それが商売になる。これってシンプルだと思うんです。さらに、目の前に困っている人がいたとして、自分の提案次第で、その場ですぐに困りごとを解決できて、さらにお金ももらえる(笑)。営業って、そこが面白いんじゃないか、と思うわけです。

サービス業に近い部分も大いにあると思っていて、例えばアパレルの販売職なら、目の前の「オシャレしたい」っていう人に対して提案するのが仕事になるし、美容師だったら「きれいになりたい」っていう人に解決策としてヘアスタイルを提示するだろうし。それと同じように営業も、目の前の人の「こうなりたい」とか、「こういうことで困っている」とか、そういったことに対して、話をして提案をして、それで喜んでもらうっていう意味では、そこまで大変さを感じなくてもいいんじゃないかな、と思いますね。

■部下・メンバーの価値観の多様化が進む中、もう一度、挑戦したいのが「チームビルディング」

――今の研修会社の営業としてのお仕事はいかがですか? 楽しいですか?

そうですね…、ただ、最近迷いが出てきているのも事実なんです。

――なるほど。そこについて、少し掘り下げて聞いてもいいですか?

最近は世の中の価値観が多様化しすぎていて、「働くを楽しむ」っていうのがお節介なんじゃないかな…、「仕事、楽しもうよ!」と言うことが本当に正しいことなのかな…、それが求められていることなのかな…と、迷うことが増えましたね。今の時代、働く職場も仕事も選択肢が多いし、昔に比べたら自由度が増していると思うんですよね。その中で感じているのは、今後は研修サービスや教育といったものが「組織」ではなく、これまで以上に「個人」に向いていくんじゃないかな、ということで。

企業のお客さんと話していても、手挙げ制で社員の望む研修を受講させる企業が増えている、と感じるんですよね。「キャリアは自分で考えて」っていうスタンスも増えているのかな、と。やる気がある人には機会を与える、そんな企業が増えていく中で、研修会社としてどう立ち回っていく必要があるのかを考える機会が増えました。これまではBtoBで、組織や企業に対するサービス提供がメインでしたけど、今後はBtoCの分野でもサービスを広げることを考えていかなくちゃいけないんじゃないかな、考えていきたいな、とも思います。

――普段、部下やメンバーとはこういう話はしますか? チームとして語ったり、議論したりします?

うーん…、正直を言えば、数年前に仙台で東北支社の支社長を任されていた時は、できていたと思うんですよ。当時は、しょっちゅうチームとして話し合って、そこから成果を出していたんじゃないかな、とも思います。

でも、その後、社内で異動して、マネジメントする部下の数が増えていく中で、少しずつ変わってしまった部分もあるのかな、って思います。みんなの働く環境をよくしようといろいろと考えて動いてみたんですけど、実際に部下と面談で話していても、「自分はあまり影響を与えられていないのかな」と思ったんですよね。

異動した後の部署でもキックオフミーティングを開いたんです。「どういう職場にしていきたい?」とか「どんな働き方をしたい?」とか、そんな話をして。その時はかなり盛り上がったんですけど、時間が経って、「あの時、あんな話をしたよね」って話しかけた時、「そうでしたっけ?」って言われてしまって。

――うわ、それは悲しい!(笑)

悲しいですよね(笑)。その時に、どんなに自分が「チームで仕事をしようぜ!」って言っても、みんながみんな、それに賛同するわけではないんだな、と思い知ったんですね。働き方も、達成感を感じる価値観も、みんなそれぞれ違うよな、と。それこそ多様化だな、って。だから、ちょっと部下との距離の取り方がわからなくなっちゃったんですよね。

―なるほど。だから、先ほど、「古屋には放置されていると感じているんじゃないか」っていう言い方をしたんですね。

そうですね。困ったら支援はするけど、「この子を成長させよう! 引き上げよう!」って言うのが本当に目の前の部下にとって望ましいことなのか、正しいことなのか、って考えてしまって、昔ほど熱くチームビルディングを前に押し出さなくなっていますね。

――今後については、どうですか? これからは価値観の多様化を前提に、冷静に個々人の働き方や成果の出し方を尊重していく? それとも、チームビルディングに再チャレンジする?

うーん…。やっぱり、もう一度、チームにチャレンジしようと思っています。「こういうチームを作りたい」っていうのを語って、みんなに共有して、みんなで成果をあげていく、っていうのをもう一度、試してみたいですね。最初はみんな、戸惑うかもしれませんけど、やっぱり僕が実現したいのは「チーム」なんです。ドラマや映画を見ていても、心が熱くなるのはチームで何かを成し遂げるシーン、その瞬間なんですよね。つくづく痛感します、「自分はそういうのが好きなんだなぁ」って。だから、もう一度、チャレンジしてみようかな、と思いますね。

――そうですか。チームメンバーに思いが届いて、古屋さんが望むようなチームを築けるといいですね! 応援しています。

■「人生を楽しむ」イコール「仕事を楽しむ」

――古屋さんは、ワークとライフをどのように考えていますか?

敢えて分けるとすれば、ワーク4分の3、ライフ4分の1ぐらいになっちゃうと思いますね。

――ワークとライフがきっちり分かれました。

ライフ……、ライフ……難しいな。

――ライフをどう捉えるかですよね。

ワークは仕事をしている時間、ライフは彼女と過ごしている時間って感じかな。「仕事は生活をするためのもの」と割り切っているわけではまったくなく、「人生を楽しむ」イコール「仕事を楽しむ」、くらいの感じです。仕事を苦行だとか思ったこともあまりないから、分けづらいのかもしれないですね。

――彼女と過ごしている時間は、今かなりきちんと大事にしていらっしゃる。

そこは実は結構、大事にしていますね。

■「えくぼは、あんまり好きじゃなかったりします」

――最後に、コンプレックスはありますか?

いっぱいありますよね。離婚しているのもそうです。今の彼女に伝えるとき、すごく辛かったですからね。付き合い始めて半年後ぐらいに言ったら、ガン泣きされました。バツイチだったことより、子どもがいたことの方が。

――そうですか。それでも……。

乗り越えました!

――他にはどうですか?

身体的なことで言えば、歯並びが悪いとか、身長があまり高くない。173cmありますけど、もっと欲しかったなとか。

――コンプレックスって他人が聞くと、「えー?」って思うようなことなんですよね。

あとは、えくぼがあまり好きじゃないとか。

――ええっ!私、さっきからずっと「この人、えくぼで覚えられる人だな」と思っていましたよ。むしろ、めちゃくちゃチャームポイントですよ。

あんまりそんな自分は好きじゃないです。裏を返せばチャームポイントなんですけど、あんまり好きじゃなかったりしますね。

――メンタル面ではどうですか?

物忘れが多いこと。本当に忘れるんで。本当に執着がないんですよ、物に対しても。さっき人に対しての話もしましたけど。だから、プレゼントをもらうと、「どうしよう」と思っちゃうんです。何かもらったとしても、なくすんですよ。自分で買ったならいくらでもなくしていいんですけど。彼女から時計をもらったんですけど、すぐなくして、バレたら困るから自分で同じのを買って(笑)。昔からこうなんです。

――それは、酔っ払ってどこかに忘れちゃう、とかではなくて?

それももちろんありますけど、素面でも全然あります。財布も携帯も。仕事のやり方が、注意力散漫という感じに近くて、ひとつの仕事をずーっとやり続けるよりも、いろいろ並行して、ちょっと待ち時間にメール見たりしながら、うわーって一気にやっちゃうタイプなんですよ。気が散漫になりやすいというか。

――それはそれでひとつの能力ですからね。マルチタスク、私できませんから。

(笑)。いろいろ気になっちゃうみたいな。いろんなところに気が行っちゃうので、忘れやすいのかもしれないですね。それは性格上のコンプレックスというか(笑)。最近、年末に2回ぐらい物をなくしたので、余計そう思っています。直したいと思いながらね。

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