• 株式会社らしく 渡辺整

インタビューサービスを始めた頃の話【PR】

今回、インタビューを受けていただいたのは、この「らしく」のインタビューサービスを立ち上げ、インタビュアーとして活動する渡辺整さん。
らしく インタビューを始めたきっかけ、インタビューとダイバーシティ・グローバル化推進の関係性、採用プロモーションとしてのインタビューの活用の仕方についてお話しを伺いました。
インタビュー実施日:2018年8月7日(らしくインタビュアー小泉)

■“らしく”を思いついたのは、様々な企業の研修会場にて

――早速ですが、「らしく」のインタビューサービスを立ち上げた経緯やきっかけについて、詳しく教えてください!

まず私の経歴についてですが、この新しい事業を立ち上げる以前は、インソース(株式会社らしく の親会社)の営業としていろんな企業を担当していました。営業担当者は、取引先の組織内の研修を見学することができるんです。インソースの研修には、ロールプレイングや演習、ディスカッションなどの時間があって、そこで当時は社員の皆さんが普段どんなことを考えているのかを聞く機会が多くありました。

例えば、管理職研修にお邪魔すると、マネージャー陣の皆さんが、「うちの会社ってこんなところがいいよね」とか、「最近の若手はがんばっているよね」とか、いいことをおっしゃるんです。でも、誰もそういった話を議事録にとっているわけではないので、空気とともに消えていってしまうんですよね。研修の現場で私が聞いた話は、メディアの記事で取り上げられることもなく、その会社のHPに載るわけでもない。私は、それについて「すごくもったいない!」と思ったんですね。私はたまたま会場にいたから聞けたけど、他の人は、その会社の社員含めて、そんなことを考えている管理職がいるということ自体、知らないんじゃないか…と思ったんです。

――たしかに、それはもったいないですね。

社員の皆さんが「自分は日々こういうことを大切にしている」「誇りとこだわりを持っている」という会社への気持ちや仕事への想いを記事にして、それを発信するサービスがあったらいいんじゃないかな、と考えたのが、“らしく”の最初のきっかけです。2015年の夏くらいの話ですね。

■チャンスがないだけで、誰にでも伝えたい想いはあるもの

――そのサービスをインタビューという形にしたのには、どんな思いあったんですか?

様々な企業の様々な研修にお邪魔して、いろんな社員の話を聞いている中で、「皆さん、すごくいい主張を持っているけれど、なかなか主張できる機会がないんだな」ということにも気づきました。

先ほどの管理職研修の例でいえば、管理職が素敵な発言をしても、講師が「部下にそういう思いを伝えていますか?」と尋ねると、「いや、伝えていないです。照れくさいし」と回答なさる。一方で、若手の研修の見学に行くと、「こんなことをやったらうちの会社はもっと良くなる!」という熱い意見が出ているのに、これまた講師が「そういうアイディアを会社や上司に伝えていますか?」と聞くと、「いえ、まだ提案できる立場にないので…」と回答が寄せられる。

――分からなくもないですね・・・。何か思うことがあっても、なかなか自分から発信しようとはならないです。

そうなんです。多くの人は主張・発信する前に諦めてしまう。それもすごくもったいないことですよね。ならば、私は、諦めさせないよう、インタビューという形でマイクを向け続けてみよう、と考えたんです。「あの人は、そんなことを思っていたのか」と周囲に分かってもらえるように話を聞きだして、「この職場にはこんな想いを秘めた社員がいるんですよ」と発信できたら、それは組織を変える何かのヒントになるんじゃないか、もしかしたらその想いに共感して仲間が社内外から集まる可能性もあるんじゃないか…そんなことを考えたんです。

■インタビューがダイバーシティ・グローバル化推進に有益なわけ

――渡辺さんはもともと“ダイバーシティ”や“グローバル”といったテーマにも詳しくいらっしゃるんですよね。インタビューサービスを立ち上げた話と少し関連があるとお伺いしましたが、詳しく教えていただけますか?

2015年当時、よく議題にあがっていた“ダイバーシティ”に関しても、多くの会社が「ポリシーを作らなきゃ」「制度を変えなきゃ」「設備はどうする」と大変なことを言っていました。

その時に、私はポリシー策定や制度の整理よりもまず、「男性・女性、結婚している・していない、なんて関係ないよね」「私はメンバーがLGBTでも気にしないよ」「親戚に障がいのある人がいるから、抵抗ないよ。私は理解があるつもりだよ」という人が1人でもいるなら、その声を拾い上げて共有した方が、ダイバーシティ推進につながるんじゃないかと思ったんです。会社って、結局は人の集まりですから。ダイバーシティに関しては、実は、そういう“リアルな声”が見えないから、社内外の人がともに「この会社・社会は、まだ態勢が整っていない」と結論づけてしまい、自ら状況を変えていくことを諦めてしまうんじゃないか、って、そんなことも考えていました。

――グローバルについては、いかがですか?

同じく“グローバル”についてもそうですね。研修担当者だった頃は、色々な企業様に「外国人はどんなことに困るんでしょうか」なんていう質問を寄せられるのですが、私は外国人ではないので分からない(笑)。私が帰国子女だということを知っている人は、「海外にいたんだから、きっとわかるんだろう」と期待を込めて訊かれていたのかもしれないんですが、私の率直な意見としては「その外国籍の方に、直接、困りごとを尋ねてみたらいいんじゃないでしょうか」というものだったんですね。

事実、私も中国出身の方にインタビューをしたことがありますが、とても面白かったです。日本で働くということや日本のビジネス習慣について、とても面白い視点で見ている。日本人が聞いたら、耳が痛くなるような痛快な指摘もあって、私自身も勉強になりました。“グローバル”というと、これもまた大きなハードルに思ってしまいがちですが、「中国出身の〇〇さんは、何を考えて働いているか」という切り口で話を聞き深めれば、実は日本の組織に対して好意的かつ肯定的に分析していることもわかるし、「もっとこうしたら日本人だって楽に働ける」という明確なソリューションを持ち合わせていることもわかる。それに耳を傾けないのは、むしろもったいない、と改めて思ったんです。

――“もったいない”・・・、新しくサービスを立ち上げるきっかけとなる思いですね。

そうですね。よく「対話が大事」なんていいますけど、まさに、一人ひとりの意見や想いに耳を傾けることって、とても大事なんだな、と感じる毎日です。でも、業務が忙しかったり、身近すぎるからこそ聞けないことがあったりする。だからこそ、インタビューサービスっていうものが第三者の立場で、一人ひとりの声を見える化し、言語化するお手伝いにつながるのではないか、と考えました。

■インタビューで心がけていること

――インタビューをする相手については、どれくらい調べてから取材に臨むんですか?

実は、インタビューを受けてくださる方について、基本的には事前の調査は一切しません。多くの場合、インタビュー実施当日に初めてお会いして、「はじめまして」って名刺を交換して、「このお名前は何てお読みするんですか?」というところからインタビューをスタートしています。

――意外! 他にも、インタビュー時のポイントのようなものはありますか?

「では、どうぞ、おかけください」と着席して、そこから約1時間、じっくりその方のお話をお聞きするんですけど、インタビュアーとして気をつけているのは、「何を言われても絶対に驚かない、動じない」ということです。

相手が、今まで誰にも打ち明けてこなかったことを初めて語ろうとした時に、私が大袈裟に反応してしまうことで、「あぁ、やっぱり、この人にはちょっと本音は話せないな」と思われたらダメ…アウトだと思うんです。事実、インタビュー中に「実は私…」と秘密を打ち明けてくださることも多いので、「あら、そうなんですね」と受け止められるように心がけています。そして、「この人の“らしさ”は、そこなんだわ」と心の中でメモできる余裕を持ち合わせよう、と意識しています。

あ、ちなみに、私はインタビュー中は録音機材だけを用いて、メモは一切とりません。人ってどうしても「今、記録されている」と意識すると、冷静になってしまって、本音を話しにくくなるんです。メモを取らない、ペンを持たない、話してくださる方の目から視線を外さない、といったこともインタビューで心がけていることかもしれません。

――たしかに、メモをとられると少し緊張してしまいますもんね。

あとは、インタビューという1時間のライブの中では、最終的に仕上がる原稿を読む人の視点も忘れないようにしています。その企業の社長さん、様々な部門の偉い方々、インタビューを受けてくださった方の上司、同僚、部下、後輩、その会社の面接を受けている就活生や学生さん、家族や友人や恋人…。その色々な関係者の方に、「この方は、こんなことを考えて、働いていらっしゃるんです!」と知ってもらえるように、多面的に魅力を引き出せるように心がけています。

これまでインタビューさせていただいて嬉しかったのは、「原稿を見せたら、妻が“あなたらしいわね”って笑いました」とフィードバックをいただいた時のこと。机の下でガッツポーズでした(笑)。あとは人事部長さんが「うちの社員も捨てたもんじゃないねぇ」とニッコリしてくださった時も嬉しかったですね。

――それは嬉しい!

■採用プロモーションとしてのインタビューについて

――このインタビューサービスは、採用プロモーションにも効果的らしいですね。

2017年春ごろ、就活生支援をしていた時に、イベント企画を一緒にやっていた後輩が「就活は、どれだけ自分を語れるか。」というキャッチコピーを考えてくれたんです。私、「そのコピー、すごくいいな」と思ったんですね。特に学生にとって、就活って、内定をもらうためのアピール合戦みたいになってしまうことが常ですけど、本来はそうじゃない。多くの時間を過ごす職場、職場のメンバーとどれだけ相性が合うかっていうのも大事だと思うんです。そのためには、自分のことをさらけ出して語るっていうのは大事なんじゃないか、と思うんですね。そのうえで企業に「自社に合う人材かどうか」を見てもらうことが大切なんじゃないかな、と。

一方で、企業もこれからは、これまで以上に「採用は、どれだけ自社を語れるか。」になってくると思うんです。知名度があるから、大手企業だから、といった理由以外の魅力の発信が必要になってくると考えています。その時、「こんな素敵な社員が働いている会社です」ってPRしたり、社員のリアルな本音を通じて社風について発信したり、そういうプロモーションって悪くないんじゃないかと思うんです。事実、どんなシーンにおいても、“いい案件”って口コミで広がっていくことが多いじゃないですか。「そういえば、〇〇って会社、面白い人が働いているよ」とか、「△△さんっていう知り合いが勤務する会社、いい感じだよ」とか、そういう情報の伝わり方もアリじゃないかな、と。そのためには、社員に存分に自社について語ってもらうこともアリじゃないかな、と、そんなことを考えています。

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