新卒採用数から考える ―様々な切り口で会社や仕事を見てみることの大切さ(4)

■新卒の採用数から企業の成長を読み解く

就活をしていたある日、会社説明会から帰った私は父親に
「今日行った会社、全然有名じゃないけど、新入社員を50人、採用したいんだって」と話しました。

すると父親は、「そこから何が分かる?」と訊いてきました。
私は答えます。「え? あ、同期が50人できるんだなぁって」。

父親は、「ははは」と声に出して、笑いました。
「ちょっと、紙に書きだして、考えてみよう」

初任給が月給20万円だとすると、50人採用したら、
一か月だけで、純粋に1000万円の給料が支払われることになる。
実際は、健康保険や福利厚生、交通費も会社の負担になるから、
それ以上の「人件費」を支払える見込みがないと、採用はできないね。

50人に任せるだけの仕事があることもわかるよね。
その仕事を教える先輩も必要になる。
入社後、研修が1~2か月続く場合には、
その間は会社にとって新人の育成は「投資」と同じだから、
その投資ができるだけの余裕がないといけないよね。

「新入社員を何人くらい採用するつもりがあるか、で企業の規模や余力が見えてくることもあるよ」

現場で責任者として働く父親の、会社に対する見方はとてもロジカルで、
想像力を試されるものでした。

「一方で気をつけなくちゃいけないのは」と父親は最後に付け加えます。

「入社から1年経過した時に、新入社員が何人残っているか、だね。
 もし最初から『きっと退職者がでるだろう』『30人残れば上出来だ』と
 辞めてしまう新人を見越して採用しているとしたら、
 新入社員にとって厳しい環境なのかもしれないね」

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